メンタルゴルフ Vol.27 重さの違いに敏感になるには

1グラム単位で重さを変えることができるゴルフクラブ。

簡単に貼れる鉛や、クラブ自体が重量可変式のものなど、技術の進歩は本当に素晴らしいと思います。

一方で、それを扱うわたしたちの感覚はどうなのか、考えたことはありますか?

どれくらいの重さの違いに気づくことができるか、知っていますか?

人間の感覚を数値化したある法則から、ゴルフにおける重さの違いに敏感になるためのヒントをお伝えします。

ウェーバーの法則

ドイツの生理学者・解剖学者エルンスト・ウェーバーが結論づけた法則によると、人間の重さの感覚には一定の割合があることがわかっています。

ウェーバーの法則

100グラムの重りを載せた手の上に1グラムずつ重りを追加していく。

110グラムになった時の感覚を覚えておく。

次に1,000グラムの重りを手に載せて、また1グラムずつ追加してく。

すると、1,010グラムになっても同じ変化は感じない。

100グラムを加えた1,100グラムになって同じ感覚になる。

重さの変化の割合がどちらも10パーセント。

つまり、人間の感覚の変化量は同じ割合である。

現在発売されているドライバーがだいたい300グラム前後です。

貼り付ける鉛や可変ウェイトの重さが6グラムとしましょう。

ドライバーの重さに対する変化量は2パーセントということになります。

これを普段みなさんが手にするものに置き換えてみましょう。

500mlのペットボトル飲料の重さは、ボトルとキャップを入れても約530グラムです。

この2パーセントというと、約11グラム。

飲み物を一口飲んだくらいの量です。

では、ペットボトルを開封して一口飲んだ前後の重さの違いがはっきり分かる人はいるでしょうか。

おそらくなかなかいないと思います。

最強のアマチュアゴルファーの考えは?

数々のアマチュア大会を制し、「プロより強いアマチュア」と言われた中部銀次郎さんは著書でこう語ります。

わずか1匁(3.75グラム)の重さなど、感知しろというほうが無理なのだ。

ゴルフの神髄 もっと深く、もっと楽しく  中部銀次郎・著

著書で中部さんが言う通り、もちろん繊細な感覚を持たれている方もいます。

青木功プロはコンプレッション90~100のボールを渡され、打ちながらボールの選別をすると、最終的に自分に合うと選別されたのはすべてコンプレッション95と96だけだったそうです。

一方で、そうではない人がいるのも事実。

それは決してネガティブに捉える必要はなくて、人間の感覚を法則を学べば自然なことなのです。

数グラムをないがしろにするわけではない

ここまで読んで誤解してほしくないのは、「数グラムなんてわからないからどうでもいいよ!」と伝えたいわけではありません。

人が感じる数グラムと、実際にクラブとしての数グラムによる性能の差は別の話です。

わたしはスポーツメンタルコーチでありながらエンジニアでもあります。

だからこそ、開発者の数グラムのこだわりや努力は人一倍わかっているつもりです。

あくまで、人の感覚には一定割合があるということを頭の片隅に覚えていただければ幸いです。

数グラムの違いに敏感になるには

人の感覚を知ったうえで、数グラムの違いに敏感になりたいと思ったらどうするか。

それは、ゴルフ以外の普段の生活でも小さな重さの変化を意識してみることです。

先ほどの例のようにペットボトルの少量の差を感じてみたり、二つのスマートフォンの重さの違いを感じてみたり、身の回りのもので鍛えることができます。


「これってゴルフのメンタルに関係ないのでは?」

と思う人もいるかもしれませんね。

わたしが理想とするゴルフのメンタルに、不安要素をすべて無くすという考えがあります。

そのためには情報の取捨選択がポイント。

このブログを読んで、微量な重さについてみなさんなりの気づきがあったのではないでしょうか。

自分にとって大切と思えたら重さの感覚を磨いていけばいいし、そこまで重要でないと気づけたら他のことに集中できます。

やるべきことに集中して、最大限の結果を出す。

そのために役に立つことであれば、ささいなことでもこのようにブログで配信していきます。

次回の配信もお楽しみに!

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