堅実なプレー、守備的なプレー
この言葉を聞いてどんな印象を持つでしょうか。
堅実=守備的、とは限りません。
どちらも勝つための戦略であり、その人(チーム)のスタイルです。
しかし、言葉の意味がハッキリしていないと、その先の行動にブレが生じます。
「堅実なプレー」というのは、競技によっても意味が変わってきます。
堅実なプレーを目指す人に読んでほしいコラムです。
「堅実」と「守備的」は似ているようで違う
「堅実」という言葉を聞くと「守りに入っている」とか「チャレンジしない」という言われ方をされることがあります。
その印象から、マイナスなイメージを持つ人もいるでしょう。
まず最初にお伝えしておくのは、「堅実」であることと「守備的」であることは似ているようで違います。
- 「堅実」とは、手堅く確実であることを表します
- 「守備的」とは、攻撃よりも守備主体になることを表します
言葉の意味から考えても、ニュアンスが違いますよね。
サッカーで言えば、「守備的」は守りに人数を増やして攻撃にはあまり積極的でない状況を表しますね。
その状況を「堅実」とはあまり表現しないでしょう。
テニスやバドミントンのネット型競技ではどうでしょうか。
「守備的」は相手のスマッシュをとにかく拾いにいくプレーといったところでしょうか。
それを「堅実」とはあまり言いませんよね。
テニスの錦織圭選手は、当時のコーチのアドバイスの元で「堅実」なテニスを目指していました。
「堅実」なテニスとは、まさに勝つためのプレー
リスクを冒さず、攻める時は攻めて、確実にポイントを取る。
そんなスタイルで実績を積み上げてきました。
守備的なプレーは相手のペースになる
一方で、2011年シーズンの頃の錦織選手はこんなことも言っています。
最近学んだのは、相手のプレーに合わせることも必要ではあるが、自分のプレーを貫くことが大切、ということ
『頂点への道』 錦織圭・著
勝つために相手のプレーを見て、相手のプレーに合わせていると、いつしか守備的になりがちです。
錦織選手は、守備的になりすぎず自分のプレーを貫くことの大切さも意識していました。
「自分のプレー」と「勝つためのプレー」は、必ずしもイコールになるとは限りません。
だからといって、どっちが正しいかという二極化させる問いでもないのです。
錦織選手の強さは、そのどちらも体現できるメンタルと技術を持っていたということなんです。
自分に取っての「堅実」とは何か
大切にしていただきたいのは、あなたにとっての「堅実」なプレーとは何かということ。
競技によってももちろん考え方は変わってきます。
ある競技では、失点しないことが堅実であり、
またある競技では、試合に出続けることが堅実であり、
言葉の捉え方は人それぞれです。
勝つために「堅実」なプレーを目指すのであれば、自分に取っての「堅実」はなにかということを改めて考えてみてはどうでしょうか。
そして、普段から「堅実」なプレーは出来ているでしょうか。
言葉は、時に誤解を生みます。
なんとなく使っていると、意味がぼやけたままプレーしてしまいかねません。
だからこそ、「堅実」なプレイヤーを目指すなら、いま書き出してみましょう。
あなたにとっての「堅実」とは??