宮本慎也さんから学ぶ、成長するための心構え

ヤクルトスワローズ一筋19年。

通算2,133本のヒットを打ち、さらに408犠打を記録した宮本慎也さん。

2,000本安打と400犠打を両方達成したのは宮本さんだけです。(2022年現在)

ヒットでも送りバントでもチームに貢献し続けた宮本さん。

さらに、宮本さんは守備の名手でもあります。

ゴールデングラブ賞に輝くこと10回。

アテネ五輪・北京五輪でキャプテンも務めた宮本さんが書いた著書『洞察力』から、成長のための心構えを学びます。

結果よりもプロセス

野球に限らず、ほとんどの球技には「相手」がいます。

プロであれば、相手もまたプロです。

プロとプロの戦いにおいて、いや、人間と人間の戦いにおいて、相手がいることに対しての結果までコントロールするのは簡単ではありません。

相手がある以上、結果に至るまでの準備しか、自分はコントロールできない。大切なのは結果ではなく、どういった準備をしたかというプロセスだ。

「洞察力」 宮本慎也・著

自分がどういう準備をするか。

そのプロセスは、コントロールすることができます。

どれだけ準備するかは、自分次第なのです。

結果ばかりにこだわると、うまくいかなかったときに「失敗だった」という思考になりがちです

準備というプロセスにフォーカスし、やりきることができれば、たとえうまくいかなかったとしても「成功」と言えるのではないでしょうか。

そして、その成功が成長へとつながるのです。

有言実行にこだわらない

宮本さんは若い頃は「打率3割」を目標にしていましたが、ベテランになってくると「チームの優勝」をまず考えるようになったと言います。

個人の目標とチームの目標は分けて考えたほうが良いという見方もありますよね。

宮本さんは個人の目標もしっかり持っていました。

それは「年俸に見合った活躍をすること」

なかなかこの目標に至る選手は少ないのではないでしょうか。

自分が期待されていること、チーム内の立ち位置しっかり認識できていたからこそ、チームの中の個人としての役割をわかっていたのですね。

ではなぜ宮本さんは「打率3割」という具体的な個人目標にこだわらなくなったのか。

それは、目標を固定するあまり臨機応変な対応ができなくなることを懸念していたからです。

目標は、周りに言えばいいというわけではありません。

周りに言うことで、「目標達成できない人と思われたくないからやらなくちゃ」という思考になることもあります。

そうなってしまうと、「叶えたい」はずの目標が「叶えなきゃならない」になってしまうのです。

むやみに目標は人に言わない。

たとえ言ったとしても、それに固執してしまう必要はないのです。

環境が変わり、自分も変われば、目標や目指すものが変わって当然です。

だからこそ、有言実行にはこだわらないくらいのマインドを持ってみるのはいかがでしょうか。

マイナス思考はダメ?

宮本さんは自身をこう分析します。

わたしは紛れもなくマイナス思考の性格である。現役時代に選手としてプレーしていたときも、あるいは普段の生活を送る中でも、最悪の事態を想定して行動することの方が多い。

「洞察力」 宮本慎也・著

監督などの指導者目線では、最悪の状態も想定して戦略や戦術を練る必要があります。

選手目線では、マイナス思考があるからこそ、プラスに変えるための準備ができるともいえます。

つまり、ネガティブ思考=悪ではないのです。

「ポジティブで行きましょう!」というポジティブシンキングも大切ですが、ネガティブだからこそできることがあるのです。

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成長に必要なものは、絶えざる練習だけではありません。

成長するためのマインドやメンタルが整ってこそなのです。

結果を出してきたアスリートは、結果を出したときにメンタルが整うのではありません。

メンタルが整っているからこそ、自分自身を結果に導けるのです。

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参考文献

洞察力

宮本慎也 著

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