「選択肢はあればあるほうがいい」
そのように考えていませんか?
もちろん、間違っていません。それも1つの考えです。
一方で、多すぎることでデメリットもあるということを、とある実験から引用してお話しします。
たくさんのクラブがあるゴルフだからこそ、ちょっと役に立つお話です。
ジャムの実験
まず、心理学の実験で有名な『ジャムの実験』を紹介します。
『ジャムの実験』の概要
コロンビア大 シーナ・アイエンガー教授
- ジャムを24種類並べるA店と、6種類並べるB店の購入者数を比較
- A店で購入した人は来店して試食したうちの3%
- B店で購入した人は来店して試食したうちの30%
- 選択肢が少ないほうが購入につながったという結果
簡単に言うと、ジャムの種類が少ないほうが売れたということです。
では、なぜそうなるのか。
選択肢が多いことは迷いにつながる
人は選択肢が多いと、選びきれないのです。
『じゃんけん』はグー・チョキ・パーの3種類だからこそすぐに決めて手を出せます。
もし、10種類の手があったらどうなるでしょうか。
「じゃ〜ん、け〜ん、」と言っている間に「え、なにを出そう」ってなっちゃいますよね
お昼休みにレストランに行って、ランチが30種類もあったらどうでしょうか。
決めるだけでかなり時間を使ってしまいそうです。
選択肢が多過ぎることで決められない心理状態のことを、決定回避の法則といいます。
選択肢が多いことをゴルフに置き換えてみる
選択肢が多い状況をゴルフに置き換えてみましょう。
ゴルフは最大14本のクラブを持つことができます。
それぞれに特徴があり、打てる距離や高さに違いがありますよね。
ゴルフにおいて、特に選択肢が多くなるのはグリーン周りでしょうか。

「ウェッジで浮かせようか」
「いやここはアイアンで転がして…」
「ピッチング使ってピッチ&ランかな」
「48°、52°、56°、どれで打とうか」
「パターで打ったほうが安全かな」
と、このように考えて最善の一打を選択しているのだと思います。
スキルの引き出しがあり、それを考えることができるというのはとても素晴らしいことです。
一方で、選択肢が多いということは迷いの元でもあるという点を忘れないでいただきたいのです。
『世界のアオキ』と呼ばれている青木功プロは、低く打って転がすアプローチを得意にして世界で闘ってきました。
“ゴルフはゴロフ”はとても有名な言葉ですね。
とにかく転がすこと(ゴロ)が最善という考えです。
自分のプレーに芯があることで、迷いなくプレーができるのです。
人生は選択の連続。だからこそ…
人生は選択の連続です。
人が一日に選択して決断を下すのは35,000回と言われています(諸説あり)
その決断の度に脳に負担がかかっています。
一つのプレーで悩み、決められないということが頻繁に起きているのであれば、敢えて自分のプレーを絞ってみるのもいい変化になるはずです。
最後に、この言葉を添えて終わりにします。
Less is More. (少ない方が豊かである)
ミース・ファン・デル・ローエ(ドイツの建築家)