鳥谷敬さんから学ぶ、変わるチカラ

2004年から2019年まで阪神タイガースで活躍し、その後千葉ロッテマリーンズで2021年に現役を引退した鳥谷敬さん。

1,939試合連続出場、13シーズン連続全試合出場、連続フルイニング出場667(歴代最長)という数字が、どれだけ長い間プロの世界で活躍し続けてきたかを物語っています。

阪神タイガース時代にキャプテンも務めた鳥谷さんは、どちらかといえば寡黙な存在。

まさにプレーで引っ張る選手でした。

そんな鳥谷さんにも「変わる」きっかけがありました。

結果を出すために自分を変えたいけど、なかなか変われない人へ。

鳥谷さんから学ぶ、変わるチカラを紹介します。

「覇気がない」と言われた野球人生

鳥谷さんはプレー中も感情を表に出すことは少なく、ホームランを打ったとしてもガッツポーズなどをすることもありませんでした。

まだ試合が終わっていないのだから、「そんなヒマがあったら次のことを考えるべきだ」というタイプの選手です。

そのため、周りからは「覇気がない」と言われるほどだったといいます。

そんなプレースタイルだったのには理由がありました。

1つは、投手だった高校時代にホームランを打たれて派手なガッツポーズをされたこと。

そのときに嫌な気持ちがしたため、自分は絶対にしないと決めたそうです。

もう1つは、「感情をコントロールできる人が強い人間である」という信念を持っていたから。

プレーごとに感情を表すのは、自分をコントロールできていない人と思っていました。

気持ちだけで結果が出るものではないと考えていた鳥谷さん。

感情を表に出してプレーするよりも、やるべきことをしっかりとやり続けることに集中していたのです。

冒頭に書いた通り、鳥谷さんは連続フルイニング出場の記録も持っており、阪神タイガースのキャプテンを務めた時期もありました。

鳥谷さんが出場し続ける中でも徐々に変わっていきました。

キーワードは「二番手」と「キャプテン」

1つずつ紹介していきます。

二番手を活かす

阪神タイガースに自由獲得枠で入団した鳥谷さん。

球団歴代最高のショートとも言われ、走攻守にわたってタイガースを支えてきました。

そんな鳥谷さんにも実はコンプレックスがありました。

それは、「打っても守っても走っても、平均点以上の選手」と思われており、「何か秀でたものがないとプロとしては通用しない」と思っていたことです。

当時の活躍ぶりを知る者としてはとても驚いた一文でした。

「なんでも合格点を出せる」能力が、鳥谷さんにとっては悩みだったのです。

しかしプロに入って試合に出続けることで、気持ちが変わってきます。

「それが自分の長所なんだ」と。

走攻守どれもこなせるからこそ、試合に出続けることができるのです。

守備が苦手な選手は、試合終盤に交代することが多いです。

打撃が苦手な選手は、チャンスで代打を送られることがあります。

鳥谷さんはどれもプロとして合格点。

つまり、交代する理由がないのです。

コンプレックスだと思っていたことも、試合に出続けることで新たな視点が生まれて、その結果自分の物事の捉え方が変わったのです。

人がなにかできごとがあったとき、捉え方次第でその後の未来が変わります。

鳥谷さんのケースでも、なにか周りが変わったのではなく、自分自身の捉え方を変えたのです。

キャプテンとして変わったこと

2012年からはキャプテンに任命された鳥谷さん。

高校や大学時代から他人のことをあまり気にかけてこなかったと著書で語っています。

当時の金本監督から、こう言われました。

「お前は自分のことしか考えていない」

そんな鳥谷さんがキャプテンになり、少しずつチームメイト、特に若手選手に声をかけるようになりました。

相手のことを慮るようになり、キャプテンとしての自覚が芽生えてきたと言います。

鳥谷さんは自分なりのキャプテンの役割をこう捉えてました。

キャプテンの役割 = 金本監督と若手選手のパイプ役

監督と若手選手の時代では、野球に対する考え方も変わってきます。

どちらもわかる鳥谷さんだからこそ、そのパイプ役に適任だったのです。

その結果、チームの若手選手が自ら鳥谷選手にアドバイスをもらいにいくことも増えたそうです。

どちらも変わったのは『自分の捉え方』

鳥谷さんが変わったどちらのケースも、変わったのは自分自身の捉え方です。

周りの環境が変わったわけではありません。

事実は変えられなくても、捉え方は誰でも変えることができます。

ただし、捉え方を変えるというのは単にポジティブシンキングをするということではありません。

ポジティブシンキングが悪いわけではないのですが、無理なポジティブは苦しくなるだけです。

まずは事実を受けいれる。

ポジティブもネガティブもどちらも受け入れる。

ポジティブが善で、ネガティブが悪、とは限らないのです。

捉え方をうまく変えることができたら、自分のメンタルは整います。

周りが変わらなくても、自分の捉え方ひとつで世界は変わります。

「変われない」と悩む方へ。

行動をいきなり変えようとするからツラくなります。

まずは捉え方。言い換えれば、心のあり方。

メンタルコーチングは、まさに心のあり方を整えるためのいいきっかけとなります。

変われなくて悩んでいる人は、ぜひメンタルコーチングも受けてみてください。

あなたは変われる。

きっと大丈夫。

参考文献

キャプテンシー

鳥谷敬 著

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