青木功さんから学ぶ『勝負論』

通算85勝

世界4大ツアー制覇

国内賞金王5回

2007年に世界ゴルフ殿堂入り

『世界のアオキ』と呼ばれた青木功さんの数々の偉業です。

今でこそアメリカツアーで戦う選手も多いですが、当時は珍しい存在。

まさに先駆者の一人です。

今回は青木功さん著書の『勝負論』という本から、戦いに勝つためのメンタルを学びます。

「負けるもんか」が人一倍強い

青木功プロといえば、AONの一角。

尾崎プロ、中嶋プロとしのぎを削ってきました。

特にプロになってジャンボこと尾崎将司プロがデビューしてからは、「負けるもんか」と強い闘志を燃やした青木プロ。

尾崎プロに負けたとき、「おめでとう」と言って握手はするものの、強くギューっと手を握るほど悔しかったそうです。

青木プロに言わせると、最近は2位や3位になって「楽しめました」とか「充実した試合でした」と言うのはどうしてなのかと。

悔しくないのかと。

わたしはスポーツメンタルコーチの立場では、結果だけでなく過程も大切にするという考えを持っています。

なので、もちろん2位や3位であることより、そこにいたるまでの過程を大切にしてほしい。

とはいえ、結果が求められる世界。

世界で戦ってきた青木プロだからこそ、やはりトップを目指すには「負けるもんか」という闘争心を持ってほしいという激励の言葉なのでしょう。

帝王も同じ人間

青木プロと同じ時代を戦ったレジェンドの一人にジャック・ニクラスさんがいます。

プレーそのものを生で見たことはわたしはありませんが、知る限り歴史に名を残すゴルファーの一人であることは間違いありません。

そんな帝王を前にしても、青木プロはこう思っていました。

「何が帝王だ。相手は同じ人間だしゴルフをやる分には誰でも一緒じゃないか」

戦う前から「相手には絶対勝てない」と思ったら、試合になりません。

どんな大柄な体格の相手であっても、同じ条件でゴルフをすることに変わりないのです。

必要以上に相手を過大評価しないこと。

これはけっして相手をリスペクトしないというわけではありません。

対戦相手としてリスペクトしながらも、同じフィールドにいる同じ人間です。

相手のことを大きく捉えすぎてしまうと、それだけで「これは勝てない」と思い込んでしまいます

負の思い込みはあなたのパフォーマンスを下げてしまいます。

一人のアスリートとして相手をリスペクトしながらも、「同じ人間である」と思えるメンタルが、青木プロの強さなのですね。

少欲を捨て、大欲に立つ

勝ちたい。飛ばしたい。寄せたい。入れたい。

ゴルフには、様々な「欲」が生まれます。

「スコアアップのためには欲を捨てましょう」と言われることもありますが、青木プロの考えは少し違います。

前述のとおり、青木プロは「負けるもんか」の気持ちがとても強いです。

つまり、「勝ちたい」という欲が強いのです。

欲をなくすということは、青木プロにとって「勝ちたい」という欲をなくすことになります。

欲は単になくすのではなく、「勝ちたい」という大きな欲は心の中に残しておく。

その先に出てくる小さな欲は、できるだけシンプルに考える。

例えば「このパットを入れたい」という欲が出てきたら、それでおしまい。

そのあとに「でも外したらどうしよう」とかそんなことは考えない。

これが青木プロの『少欲を捨て、大欲に立つ』の考えです。

スポーツメンタルの視点で考えても、欲を無理に打ち消そうとするのはよくありません。

そもそも、人間の欲とは本能的なものです。

奉納から生まれる欲を「○○しないように」と否定の言葉でフタをしても、いいことはありません。

自分の欲に素直になり、余計なことは考えない。

これが青木プロが何十年もかけて世界を転戦して培ったメンタルなのです。


青木プロの考えはゴルフ以外のスポーツにも活かせるはずです。

  • 「負けるもんか」という闘争心
  • 相手と対等であると信じる心
  • 大きな欲は捨てず、欲が出たらシンプルに考える

ぜひあなたの競技にも活かしてみてください。

参考文献

勝負論

青木功 著

タイトルとURLをコピーしました