野村克也さんから学ぶ、結果を出すためのココロのありかた

キャッチャーとして世界初の三冠王(首位打者・本塁打王・打点王)。

そして歴代2位の本塁打657本の記録を持つ野村克也さん。

監督としては、東京ヤクルトスワローズ・阪神タイガース・東北楽天ゴールデンイーグルスの指揮を執り、リーグ優勝5回・日本一3回を経験した名将です。

2020年にこの世を去るまで、数々の名著を残してこられました。

今回はその一つ、『なぜか結果を出す人の理由』を参考に、結果を出すための心のありかたを学んでいきましょう。

正しい努力をする

本の冒頭で、ノムさん(敬意をこめてノムさんと書かせていただきます)はこう言います。

努力はウソをつかない。されど、間違った努力はウソをつく。

結果を出す人の理由  野村克也・著

「努力すれば報われるなんてウソだ!」

という気持ちを持っている人もいると思います。

わたしもそう思っていた時もありました。

「努力しても結果が出ない」

だから必ず報われるわけではないのだと。

社会人野球、そして多くのプロ野球選手を見てきたノムさんの視点は違いました。

結果を出す人とは、正しい努力をしている人だということ。

結果を出せない人の多くは、努力していても間違った努力をしていると言います。

「間違った」というのは、方向性が間違っていること・誤った思い込みを持っている・無知などがあります。

わたし自身もゴルフをしていて、今思えば、方向性が間違っているなって思った時はあります。

「とにかく飛距離を伸ばせばスコアは縮まる」

そう信じてドライバーばかり練習しているときもありました。

飛距離を伸ばそうとすることが悪いのではありません。むしろ素晴らしいことです。

わたしの場合は、飛距離が伸びればスコアが良くなるって思い込んでいたのです。

その結果、無理に飛距離を伸ばそうとして手首をケガする羽目になりました。

「思い込み」は人を間違った方向に進めてしまうこともあるのです。

正しい努力をするために大切なことは何か。

それはやはり自分自身を知ることではないでしょうか。

いまの自分には何ができるか。

数字を見ればどれくらいの結果を残せているのか。

他人からはどう評価されているのか。

人と比べる必要はありません。

冷静に、客観的に、自分自身を見つめてみる。

そして時には、支えてくれている周り方の声も聞いてみる。

すると、自分なりの「正しい努力」が見えてきます。

ヤクルトスワローズの監督時代、ノムさんは宮本慎也選手(当時)にこう言いました。

果たしてそれが本当に正しい努力なのかどうかを常に自問自答しなさい

結果を出す人の理由  野村克也・著

スランプとは、伸びしろ

ゴルフに限らず、様々なスポーツにおいて時々使われる言葉。スランプ。

「スランプだ」と口にする選手を前にして、ノムさんはこう言いました。

「お前は未熟なだけだ。何がスランプだ。二流選手にスランプなんてないんだよ」

結果を出す人の理由  野村克也・著

とても耳が痛いお言葉です。

ノムさんが言うととても説得力があります。

わたしもゴルフでスランプと思ってしまうことはありました。

「こんなはずじゃない」

「たくさん練習してきたんだからできるはず」

限界まで練習していたと思っていても、それはあくまで自分が決めた限界での話。

限界のその先まで練習したかと聞かれれば、わたしは自信持ってYesとは答えられなかったでしょう。

ノムさんはこう言います。

プロにとって、妥協・限界・満足は禁句である

結果を出す人の理由  野村克也・著

自分で限界を決めず、現状に妥協しないからこそ、プロフェッショナル。

言い換えれば、「スランプだな」って感じた時こそ、そこには伸びしろがあるってことなんです。

そんなマインドを持つことができたとしたら、きっとあなたの辞書から「スランプ」という言葉はなくなるのではないでしょうか。

ちなみに、「スランプ」だと感じた時にはこんな考え方もあります。

こちらもぜひ読んでみてください。

悲観的に計画するのがキャッチャー

あなたはご自身を悲観的(ネガティブ)だと思いますか?

もしそうだとしたら、そんな自分をどう思いますか?

ノムさん曰く、名キャッチャーには悲観的な人が多いそうです。

キャッチャーは『扇の要』と呼ばれる大切なポジション。

いつも悲観的に考えて対策を練っていたのだとか。

悲観的だからこそ、入念な準備ができるのです。

「ああなったらどう対処しようか」

「こうなったらどう動こうか」

楽天的であることも素晴らしいことですが、競技によっては時には悲観的であることも大切な心のあり方なのです。

ネガティブ・ポジティブに関してはこちらのコラムもぜひご覧ください。


選手としても、監督としても、素晴らしい結果を出してきた野村克也さん。

書かれている一つひとつの言葉に重みを感じました。

わたしはスポーツメンタルコーチとして、アスリートのココロを支えています。

結果だけに注目するのではなく、結果を出すためにふさわしいメンタルを持つためのコーチングをしています。

単に結果を出すためのメンタルのテクニックを教えることはしません。

だからこそ、このような本は大変いい学びになると感じました。

最後まで読んでくれたあなたはどう感じましたか?

どんな心の変化がありましたか?

大きな変化には小さな気づきから。

大きな結果には小さな成功から。

いま感じた小さな気づきを大切にしましょう!

コラムの参考文献

なぜか結果を出す人の理由

野村克也 著

タイトルとURLをコピーしました