オリンピックの体操で個人総合2連覇、世界選手権6連覇、国内外合わせて40連勝と前人未到の記録を数多く築いてきた内村航平さん。
幾度となく「1位」を取ってきた内村航平さんは、大一番の試合に向けてどんなメンタルを持っていたのでしょうか。
著書『やり続ける力』から、「1位を取り方」を経験しておくことの大切さを学びましょう。
リオの団体金メダル
個人総合(一人で6種目を行う)の輝かしい実績が注目されがちですが、内村さんは団体総合でも金メダルを獲得しています。
印象に残っている大会の1つが、2016年リオデジャネイロオリンピックの団体総合金メダルでしょう。
著書の中でも、大会前には「団体金メダルのことしか考えていません」と公言するくらい、団体の金メダル獲得に燃えていました。
山室光史さん、田中佑典さん、加藤凌平さん、白井健三さんと5人で挑んだ団体。
見事なチームワークで、2004年アテネ大会以来の団体金メダルを獲得し、『体操ニッポン』の復活に多大な貢献をされました。

勝ち方を経験して挑んだリオ五輪
リオオリンピックの約10か月前、スコットランドのグラスゴーで世界選手権が行われました。(通称『世界体操』です)
その大会の団体総合で見事金メダルを獲得した日本チーム。
しかし、完ぺきな演技だったわけではなく、ミスもありました。
ミスがあった中でも、勝ち方をチーム全員が経験できたことがとてもいい経験だったと内村選手は語ります。
一度勝つことで型ができれば、そこから必要に応じてアップデートしていけばいいという感覚になれるのです。
やり続ける力 内村航平・著 より
どのような試合運びをすれば勝つことができるか。
何を改善していく必要があるか。
「1位の取り方」をオリンピックの前に経験することができたからこそ、オリンピックという大一番で、その経験が生きてきたのですね。

誰にでも「初めて」はある。だからこそ…
「1位の取り方を経験しておく」といっても、簡単ではないかもしれません。
なぜなら、経験するその瞬間は「初めて」のことだからです。
誰にでも、「初めて」はあります。
初めてのことにチャレンジするときは、物怖じしてしまうこともあるかもしれません。
内村さんは著書でこう続けます。
どんな仕事でも、大舞台で結果を出したいなら、できるだけ早く、一度でも、似たような舞台を経験すべきなのだと思います。
たとえ最初は失敗して反省をしても、そのときの感覚や景色は必ず財産になります。
やり続ける力 内村航平・著 より
似た舞台を経験しておくことの大切さを伝えたうえで、失敗が財産になるとも教えてくれています。
勝って「1位の取り方」を学ぶことができれば理想ですが、そうでなくてもあなたの財産になっているのです。
そこからまたなにかを少しずつアップデートしていくことで、大一番での素晴らしい結果につながるのだとわたしは信じています。
これを読んでくれたあなたにとって、「1位の取り方」を学ぶ機会はどんなところにありますか?
その機会に、あなたはどんな心の在りかたを持ってチャレンジしますか?
やり続ける力
内村航平 著
