「大事な試合で緊張してしまう」
「ここぞという場面で緊張する」
そんな悩みを持っていませんか?
2010年代のテニス界のビッグ4と呼ばれた、ロジャー・フェデラー、ラファエル・ナダル、ノバク・ジョコビッチ、アンディー・マレーと戦い続けた錦織圭選手
2014年のUSオープンでは準決勝でジョコビッチ選手を破り、4大大会最高位の準優勝をおさめました。
そんな錦織圭選手は大舞台で緊張しなかったのか
決してそうではありません。
錦織選手だって緊張します。
緊張に対する向き合い方が一流なのです。
今回は錦織選手の著書『頂点への道』から、緊張に対する向き合い方を学びます
緊張は自分自身が作り上げている
緊張するのは「周りから見られているから」とか「他人からの評価が気になるから」という理由の方も多いでしょう。
周りや他人がいるから緊張が生まれるという考えもありますが、錦織選手のマインドは違いました。
緊張する理由とはいろいろなところからきています。試合に勝ちたいという思い、負けたくないという思い、いいプレーができるかな?という思い。(中略)それも全部、自分自身が作りあげている。
『頂点への道』 錦織圭・著
緊張とは感情の一つです。
感情は他の誰でもなく自分の中にあるものであり、自分自身が作り上げている。というのが錦織選手の考えなのです。
だからこそ、「すべて緊張は自分でコントロールできるもの」と錦織選手は言います。
自分の感情をコントロールすることは決して簡単ではありません。
しかし、理由が自分自身にあると思えば、緊張に対する考え方や行動も自分軸で考えればいいのです。
そのうえで、錦織選手はこう言います。
まずは勝つことよりも、自分のすべてをコートに置いてくる。
『頂点への道』 錦織圭・著
「緊張=悪」というのは思い込み
緊張が自分自身が生み出しているものであるとして、では緊張は悪なのでしょうか。
結論から言うと、そうではありません。
緊張とは自然な感情であり、様々な場面において「緊張する」からこそ、わたしたち人類はここまで繁栄してきているのです。
錦織選手はこう言います。
緊張しているということは、自分が戦闘モードに入っているということ。
『頂点への道』 錦織圭・著
戦う状態になっているからこそ、緊張するのです。
体が瞬時に動けるように、緊張状態ができるのです。
そう思えたら、緊張とは悪いことではないですよね。
しかし、緊張したことによって悪い経験が残っていると、「緊張=悪いこと」と思い込んでしまうのです。
思い込みはパフォーマンスにフタをする
緊張に限らず、誰にも『思い込み』というものは存在します。
「○○であって当然」
「□□であるべき」
こんな信念を持っていると、それが『思い込み』となってあなたのココロにフタをするのです。
すると、そのフタがパフォーマンス向上を妨げてしまいます。
先程の例のように、「緊張することは悪いことだ」と思い込んでしまうと、緊張した自分に気づいたときにネガティブになってしまうのです。
スポーツメンタルコーチは、そんな『思い込み』を取り除いていく役割を持っています。
対話を重ね、質問を重ね、選手一人ひとりが持つ『思い込み』を見つけていきます。
ささいな思い込みでも、そのフタがパカッと外れると、本来のパフォーマンスが発揮できるようになるのです。
「火事場の馬鹿力」という言葉がありますよね。
普段は「絶対ムリ」って思っていることも、火事という偶然により潜んでいたチカラが発揮されるのです。
繰り返しますが、緊張を悪いことだと思わないでください。
緊張するのは自然なこと。
そう思うことができただけで、あなたのパフォーマンスは一歩前に進めます。
頂点への道
錦織圭/秋山英宏
