今回紹介する本はテニスプレーヤー錦織圭選手の自伝、「頂点への道」です。
フルセットにもつれた時の勝率が約75%と歴代最高値を誇る錦織選手のメンタルに迫りました。

この本は2010年から2015年までの6年が1年ごとに1章になっており、自身の当時のブログをもとに綴られています。
- 1章 復活 2010年(世界ランク98位)
- 2章 模索 2011年(同25位)
- 3章 成果 2012年(同19位)
- 4章 苦闘 2013年(同27位)
- 5章 変化 2014年(同5位)
- 6章 頂点 2015年(同8位)
自分なりの気づきをアウトプットします。
私がこの本を読む目的
- 世界トップクラスのテニスプレーヤーのメンタルを学ぶ
概要
1章 復活 2010年
・自分のしたいテニスをするのか、勝つテニスをするのか、2つがマッチしていない
・チャレンジャーカテゴリーの大会の決勝前、コーチから「思いっきり自分のテニスをしてこい」 →自分のテニスに足りなかったものが戻ってきた
2章 模索 2011年
・良くなってきた反面、勝つためにはさらに工夫をしないといけない
・相手のプレーに合わせることも必要だが、自分のプレーを貫くことも大事 →相手に合わせるということは、相手の好きなテニスの中でプレーするということ
・上海マスターズ、ジョーウィルフリード・ツォンガ選手(当時ランク8位)に勝った後のこと。自分にとって大きな勝利であるが、余韻に浸らない→喜びすぎると次の試合が「ふわふわ」状態になる
・「堅実なテニス」の形が見えてきた。ただ、堅実なテニス=守備的なテニスというわけではない→勝ちたいからこそ、堅実なテニスを追求する
・トップクラスの選手とやるたびに自分の弱点が浮き彫りになる
3章 成果 2012年
・重きを置くのはポイント計算ではなく、トップ10との戦いの結果とそこから得られた手応え →トップ10に勝ちたい。頂点を目指す
・守っていてばかりでは勝てない、と改めて感じるようになる
4章 苦闘 2013年
・父親から「リターンが武器」という助言をもらい、リターンという長所を伸ばすようになる
・ケガもあり、苦しい時期が続く
・シーズンオフをアメリカで過ごすことを始める →日本の居心地の良さから自分がダメになっていることを感じていた
5章 変化 2014年
この年からマイケル・チャンさんがコーチとして就任
・全豪オープン4回戦ラファエル・ナダル戦。善戦したが0-3で敗退。シャワーを浴びながら号泣 →たくさんの人が「いい試合だった」と言ってくれたが、いいプレーだけでは勝てないと改めて実感する
・バルセロナオープンでクレー(赤土)コート初の優勝→クレーを意識せず、ハードコートでやってきたプレーをマイナーチェンジさせるイメージで戦った
・USオープン4回戦。ミロシュ・ラオニッチ選手(当時ランク6位)に勝った後のコメント。「勝てない相手も、もういないと思うので」→自信がついている。その後準決勝でジョコビッチ選手(当時ランク1位)選手を破る
・自身初のATPツアーファイナルに出場。ラウンドロビン(予選グループ)を通過し、準決勝でまたジョコビッチ選手と対戦。今度は敗れる→「トップの選手を意識しすぎて、このままでは勝てないと思いテニスを変えてしまった」
6章 頂点 2015年
・過去最高位の世界ランク4位に→「どうも思っていない。どうせ上がるし下がるし」ポイントや世界ランクに一喜一憂することなく、常に”経験値”を重視している姿勢
感想と自分へのインプット
テレビで活躍を見ていると感じないこともたくさんあり、苦悩し模索し、その中で成長していく過程がよくわかる一冊でした。
「ランキング」という評価を気にせず、自分の目標に進む姿勢が強いメンタルの一因になっているのではと感じます。
最後に、読んだ自分へのインプット。
- 周りの評価を意識するのではなく、自分が目指すことを常に意識し続ける
- 辛い環境や居心地が悪い環境でもネガティブに考えず、自分のレベルアップにつながるものだと捉える
次回の読書コーナーをお楽しみに!
私は読書の際、必ず最初に「読む目的」を意識してから読むようにしています。